東京工業大学では、全国に先駆けて実施してきたデータサイエンス・AI大学院全学教育を、学士課程も含めた全学教育に拡大し、さらに企業や他大学との連携を深めるために、「データサイエンス・AI全学教育機構」を12月1日に設置しました。
データサイエンス・AI全学教育機構は、これまでの東工大におけるデータサイエンス・AI教育分野の経験と実績を基に、(1)学士課程から大学院まで一貫した全学教育プログラムの拡大・推進、(2)社会的課題解決能力を身につけるための企業連携、(3)国内外の他大学への授業配信などの連携、の3つの柱を中心としています。データサイエンスや人工知能(以下、DS・AI)の技能をもって多様な専門分野の垣根を越えて、領域横断的に社会的課題を解決できる「共創型エキスパート」人材を広く育成していくことを狙いとしています。
今日のデジタル情報化社会において、DS・AIの果たす役割が急速に大きくなっており、社会生活、産業、研究開発などのあらゆる分野において基盤となり始めています。これに対し東工大では、理工系総合大学である特長を活かし、専門分野によらず、将来的にDS・AIを駆使して問題解決ができる能力を身につけた「共創型エキスパート」人材を育成することを目的として、2019年度から大学院生を対象としたデータサイエンス・AI大学院全学教育を展開してきました。この教育では、DS・AI技術の理論的・学術的な教育だけにとどまらず、35社以上もの企業が参加する国内最大規模の企業連携コンソーシアムを確立し、社会的課題解決能力の養成を組み込んだ多様な授業科目が展開されています。また、東工大では大学院専門科目を英語で開講しており、データサイエンス・AI大学院全学教育の一部科目をTAIST(タイスト、Thailand Advanced Institute of Science and Technology)(タイ王国)へ配信しています。
さらに2020年度からは、学士課程向けのデータサイエンス・AI全学教育プログラムを展開しています。学士課程1年次から大学院までを対象とした一貫した全学教育プログラムは、国内で東工大のみが実施しているものであり、特にデータサイエンス・AI全学教育プログラム(リテラシーレベル)は文部科学省 数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(MDASH)の認定を受けています。
今回設置したデータサイエンス・AI全学教育機構は、これらの土台を踏まえたものです。概要は以下の通りです。
機構概要
- 名称
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データサイエンス・AI全学教育機構
- 活動内容
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- データサイエンス・AI全学教育プログラムを通したDS・AI全学教育の実施・拡充
- DS・AI技術を駆使する企業との連携を通した社会的課題解決能力の育成
- 国内外の他大学との連携による「共創型エキスパート」人材の大規模な育成
- 機構長
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三宅美博(情報理工学院 情報工学系 教授)